田中さんご家族の家計診断を行ってから、約半年が過ぎました。実際に成果が出てきているかをお尋ねしたところ、全てが予定通りとは行かないまでも、以前のような赤字体質は脱却し、少しずつ改善されてきているとのことでした。
田中さんご夫婦の話によると、以前はお子さまが大きくなったら今よりもお金がかかるだろうと漠然と考えていたものが、いつごろ、いくらくらいのお金が必要かということをきちんと考えてやりくりできるようになったのは大きいとのことでした。また、これまで大きな出費も必要になるたび貯金を切り崩して出していたそうですが、ライフプランを立ててみたことにより、長い目で見て、いつごろいくら必要になるかを考えられるようになり、ある程度大きな金額の支出が必要になった際には、優先順位をご夫婦で話し合うようになったとおっしゃっていました。
ファイナンシャル・プランナーへの相談や家計診断は、その場限りのチェックで終わっては意味がありません。今回の田中さんのように、ご家族全体で問題意識を持ち、一体となって節約を考えていただくと、家計の見直しはうまく運びます。しかし、実際に多いのは奥さま1人で家計の節約を頑張っているケースです。1人でコツコツと節約に励んでいるのに、ご家族には節約意識がないため、苦労している割に成果が出ないというパターンはかなり多く見受けられます。そのような状況でご相談を受けた場合には、ご家族皆さんで情報を共有していただくことをお願いしています。1人だけが頑張って節約するより、額は小さくてもご家族全員で節約意識を持っていただいた方がスムーズに家計の改善が進みます。
更に、田中さんご夫婦がおっしゃっていたことですが、お子さんにかかるお金に関してはこれまで少し意識していたものの、自分たちの老後にかかるお金に関しては考えたことが無かったそうです。おそらく、30代のご夫婦の場合それが普通なのでしょう。しかし、今回ライフプランを考えてみたとき、ご自身たちが年を取っていく過程で、お2人のご両親も介護が必要になるかもしれない、その時の費用はどう工面するかと言ったことも話し合われたそうです。
今回の田中さんご夫婦の場合はほんの少し赤字になっていただけでしたが、危機感を持って相談しに来ていただいたことにより、ここまで大きく家計に対する見方が変わりました。皆さんのご家庭はいかがですか?ライフプランは立ててみたことがあるでしょうか?家計の悩みは家族構成や、家族ごとの価値観によって異なります。ご家族の人数や年齢、生活パターンに加え、もちろん実際の支出の内訳などを詳しく分析してみないと、どのような節約方法がうまく行くとは一概に言えません。ご家庭それぞれに合ったプランがありますから、よく似た家計の節約方法を参考にしてみてもうまく行かないことがあるのです。ですから、家計にもし気になる点が少しでもあるようなら、なるべく早いうちにファイナンシャル・プランナーに相談してみることをおすすめします。