30代はファイナンシャル・プランナーへの相談が多い年齢層でもあります。ただし、独身者と既婚者、既婚者であっても子どものいる家庭といない家庭ではファイナンシャル・プランナーに対する相談内容が異なります。とは言え、30代は一生の中でも生活の変化が大きい年代であり、お金の使い方が気になるきっかけが多い年齢層です。そのため、30代のご夫婦がファイナンシャル・プランナーに対して行う特徴的な相談例を見ておくと参考になるでしょう。
まず、家計診断を行い、ライフプランを立ててみたところ、お2人とも仕事で忙しく、お金を使う暇がない状態で約10年仕事を続けてきたこともあり、平均以上に貯金はされていることがわかりました。家計のやりくりも2人分の収入がベースになっていることもあり、ひとまず安心と言う状態でした。しかし、ご相談時点での家計診断の内容に問題がなくても、数年後のことを考えると油断できない部分があることをお話しました。それは、子どもができた場合、奥様の収入がそっくりそのままなくなる可能性があると言うことです。そうなったら、今の仕事を続けられなくなる可能性も考えてやりくりする必要があるというお話を、ライフプランを立てながらお話しました。何歳で出産するかを仮定して、いつごろいくらのお金が必要になるかというシミュレーションをしつつ、もし、住宅購入をしてローンを組むとしたら、どのタイミングがよいかというお話も併せてさせていただきました。
子どもを育てるのにかかる費用については、様々なデータを基に1人当たり2,000万円~3,000万円は必要と言うお話をしました。全て公立に進む場合で2,000万円、大学が私立、下宿も必要となると3,000万円は必要になるというお話をしたところ、額の大きさに驚き、ライフプランを見ながら、2人目3人目を予定するなら間を何歳開けて産むのが理想かという相談をご夫婦でされていました。
また、野口さんご夫婦の場合、子育てと住宅ローンの支払いを並行させていく予定であったため、職場復帰はいつごろがよく、頭金を作るためにはいつまでにいくら程度の貯蓄が必要になるかということしっかり把握できるようにしました。
30代の共働きご夫婦がファイナンシャル・プランナーに相談するメリットは、ライフプランを立てることによって、漠然としか見えてなかった将来必要になるお金をきちんと現実のものとして捉えられるようになることにあります。ファイナンシャル・プランナーへの相談を通して、子どもの年齢によってかかる金額が違い、コンスタントにかかる費用と、一時に集中して必要になる費用があることも把握できるようになります。