ファイナンシャル・プランナーの資格は国家資格と民間資格の2つの制度があり、それぞれに階級があります。ですから、単純に考えれば、より難易度の高いファイナンシャル・プランニング技能検定1級やCFPを持っている人が良いように思われます。しかし、相談するのに適したファイナンシャル・プランナーを見つけるポイントは資格ではありません。
ファイナンシャル・プランナーが扱うお金の範囲は、投資や保険、不動産など広い範囲に及びます。そのため、得意分野をチェックポイントにすることも相談すべき相手を的確に選ぶうえでは大事な点の1つになります。お金のプロとは言え、全ての範囲について同じように詳しいというファイナンシャル・プランナーは少なく、いくつかの分野にはとても詳しいが、ある分野は一般の人より多少詳しい程度ということもあり得ます。お金をどんな目的に使いたいか、目指す目標は何かなど相談する内容次第で相談すべき相手が変わってきます。ですから、相談内容に応じて最適なファイナンシャル・プランナーを選ぶことが必要です。
更にファイナンシャル・プランナーを選ぶうえで気を付けたいことは、取得資格や得意分野以外にもファイナンシャル・プランナーにはいろいろな形態があると言うことです。例えば、扱う商品やサービスが特定されているファイナンシャル・プランナーに専門外の相談を持ちかけても、本当に必要なアドバイスは得られない場合があります。
ファイナンシャル・プランナーを形態別に分類してみると、企業系、独立系、コンサルタント系(専門系)の3種類に分けられます。そのうち企業系は、特定企業の社員として所属しているのが特徴で、企業の商品やサービスを提供する際に相談に乗ってくれるファイナンシャル・プランナーがこのタイプになります。そのため、それぞれの企業の商品やサービスに対する知識は豊富です。既に利用する企業が決まっている場合には相談しやすく、その企業内にある商品やサービスの中から適したものを選んでもらう場合であれば最も良い相手と言えるでしょう。しかし、どの企業の商品やサービスにするか迷っている場合はその企業の商品やサービスしか提供できないため、適しているとは言えないでしょう。それに対して独立系は、企業の枠にとらわれず多くの商品やサービスの中から適したものをアドバイスしてくれるファイナンシャル・プランナーになります。保険なら保険、投資性商品なら投資性商品と購入する商品やサービスの種類は決めているものの、どの企業のどれを選んだらよいかわからないという場合に相談するのには適しています。しかし、自分にとって何が必要であるかも分かっていない場合には頼れません。その点コンサルタント系は、商品やサービスの購入とは関係なく、お金のプロとして総合的にファイナンシャル・プランナーとしての相談業務やアドバイス業務を行うファイナンシャル・プランナーです。家計や投資に関する相談や、これからのライフプランにどのような商品やサービスが必要になるかなど、お金の使い方をアドバイスしてくれる人と捉えるのに適していると言えます。しかし、より専門的なアドバイスになるため相談料が必要な場合もあります。
ただ、この分類は一般論のため、必ずしもすべてのファイナンシャル・プランナーに言えることではありません。企業系であっても十分に知識を持ち、家計診断やライフプランにについて的確にアドバイスをすることができる場合もあります。ファイナンシャル・プランナーの形態を確認するとともに、その人自身の得意分野や考え方などを確認しておくとよいでしょう。