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30代はファイナンシャル・プランナーへの相談が多い年代です。特にこの年代のご家族からの相談として多いのが、子育て費用に関するご相談です。ファイナンシャル・プランナーへの相談のタイミングとして多いのは、結婚してすぐのタイミング、第一子が生まれるタイミング、第二子、第三子が生まれるタイミング、第一子が小学校などに入るタイミング、住宅購入のタイミングなどです。結婚してすぐのご相談の場合には、お子さんの人数も出産のタイミングも漠然としており、おおよその金額を参考としてお話することになりますが、実際にお子さんが産まれており、人数も確定したタイミングでのご相談の場合、ファイナンシャル・プランナーの行う家計診断はとても具体的です。そこで、30代の子育て真っ最中ファミリーの相談例として、高橋さん(仮名)ご一家の内容をご紹介しましょう。
高橋さんは37歳。奥様は35歳。もうすぐ3人目が産まれると言うタイミングでファイナンシャル・プランナーを訪ねて来られました。上のお子さんは6歳と3歳。3人の教育資金をどのように捻出すればよいかというご相談内容でした。家計診断を行ったところ、奥様が子育てに専念しているご家庭の割に、しっかりと節約されていて、少しずつですが貯金はできている様子。子どもが小さくお金のかからないうちにできるだけ貯金に回せるよう、無理のない程度に節約を続けるようにお話しました。
この高橋さんご一家の場合、相談時の家計診断よりも重要なのは、ライフプランを立て、将来どのタイミングでいくら必要になるかというシミュレーションでした。子ども1人を育てるのに、生活費、教育費合わせてだいたい2,000万円~3,000万円のかかるという話をしたうえで、高橋さん一家の場合更に大変な点があることを指摘しました。上のお子さんが3歳差、下も3歳差となると、将来進学するタイミングが重なり、まとまったお金が必要になるタイミングに注意しておく必要があるという話です。
子育て中の30代が、ファイナンシャル・プランナーに相談をする意味としては、現時点での家計のやりくりがうまく行っているかどうかを知ること以上に、子どもを含めた家族全員の生涯にわたる人生設計を行い、お金のかかるタイミングを把握することの方が重要になります。いつまでにいくら溜めなければならないかがはっきりすれば、節約のモチベーションも上がり、成果も出やすくなります。子どもがいる以上、教育費の問題は避けて通れませんから、家族そろってアドバイスを受けるようにしましょう。節約も家族そろっての取り組みとなり効果的です。
また、子育て中の家族の場合、子ども1人1人にかかる金額以上に家計に影響が出るのは、子ども同士の年齢差です。教育費が重なって出る年子や1歳差の場合は、最初から同時にお金がまとまってかかることを覚悟している傾向が見られますが、少し年の差があると、お金がかかることを忘れていることが少なくありません。ライフプランを立て、具体的にいつお金がかかるのかを目で見ることは子育て中のご家庭にとって大事なことと言えます。